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【ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?】ラノベレビュー2019#3

【ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?】

著者 新 八角

イラスト ちょこ庵

レーベル 電撃文庫

発売 2019年3月9日

あらすじ

ごちそう求めて、少女たちは戦う。――おいしい終末、はじめました。

 荒廃した24世紀の東京は合成食糧や電子ドラッグが巷に溢れ、荒くれ者たちが鎬を削る……それでも、やっぱりお腹は減るんです。日々の戦いに疲れたら、奇蹟の食堂――《伽藍堂》へ!
 厨房を受け持つのは「食の博物館」の異名を持ち、天使の微笑みをたたえる少女ウカ。狩人兼給仕を担うのは、無法者に睨みを利かせる、こわもて奔放娘リコ。
 二人は今日も未知なる食材求めて、てんやわんやの大騒ぎ。「おいしい!」の笑顔のためならば、人を喰らうドラゴンから、食べたら即死の毒キノコ、はたまた棄てられた戦車まで!? なんでもおいしく、そして仲良くいただきます!
 リコとウカの風味絶佳な日常を皆さんどうぞ召し上がれ。

bookwalker:ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?

 

【本文】

 

#3は電撃文庫から、SFグルメ百合ものです。

 

丁寧に作られた世界観や設定の数々、唯一性を感じるキャラ造形、展開のわくわく感……。

 

それらクールに作り上げられたSFの舞台上で繰り広げられる百合&グルメ、もう面白くないわけがない。

 

また登場する食材は(あらすじからもわかるように)SFチックですが、どれも現代の食材から想像を膨らませれば味覚で楽しめるように工夫されてます。

 

ということはですよ。

 

ふたりがどんな反応をしたのかも、ある程度想像できるわけで。

 

これがまたとんでもなくかわいいのです。

 

尊みと面白さがしっかり両立されている良質SFグルメ百合でした。

 

また、食材ごとにしっかりと話を切ってくれるのもありがたい。

 

それぞれに起承転結がありますので、飽きないですし、だらだらした展開もないですし、何より作者のやりたいことがわかりやすいのです。

 

短編連作というやつですか。素晴らしいと思います。

 

では今回はこの辺で。

 

次回もよろしくお願いします。

 

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